沖縄から貧困がなくならない本当の理由
この本を読んだ率直な感想。
「ウチアタイ」という沖縄方言が、
改めて気づかされた、
痛いところをつかれた、
身につまされた、という意味ならば、
その表現だけでは足りないくらいに、胸を軽くえぐられた感覚になりました。
今回はそんな一冊のこと。
『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』感想レビュー
以下、amazonより。
沖縄には、謎が多い。
圧倒的な好景気が続く中、なぜ、突出した貧困社会なのか。
「沖縄の人は優しい」と皆が口をそろえる中、なぜ、自殺率やいじめ、教員の鬱の問題は他の地域を圧倒しているのか。
誰もなしえなかったアプローチで、沖縄社会の真実に迫る。
「沖縄問題」を突き詰めることは日本の問題を突き詰めることであり、それは、私たち自身の問題を突き詰めることだ――。
「コロナ後の世界」のありかたをも問う、鮮烈の問題作。
最初にも書いたけど、この本は、ウチナーンチュ(沖縄人)にとっては耳が痛いことも多く書かれています。
これまでタブーとされていた(らしい)「沖縄の根本的な問題は、沖縄のなかにある」という現実と事実を、著者の樋口さんがはっきりと論立ててお話されています。
ここでいう「沖縄のなかに問題がある」という意味は、米軍基地問題や政治姿勢に対することだけが問題ではないということ。
むしろそれ以上に、ウチナーンチュ一人一人に該当するような資質や要素だったり、家庭・職場環境だったりを指しています。
私自身は生粋のウチナーンチュなのですが、10年以上ぶりにかえってきた故郷に対して思う安堵感以外に、「ヌルさ」みたいなモノも感じていて。
それって、樋口さんが書かれていたことと通ずることが大きいのかもって、自分のことにも重ねてしまいました。
まとめ
本書は「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」と題して、沖縄企業のあり方、人間関係、沖縄の県民性を軸に「沖縄の貧困の原因」について触れています。
そこの問題点をただの事象として羅列するだけではもちろんなく、現状をふまえて「これから沖縄はどうあればいいのか」「どうすべきなのか」ということを問いかける内容となっています。
それこそ、沖縄県民全員の課題図書にいてほしいなと思うのと同時に、本を通じて、樋口さんの問いかけがまさに「コロナ後の世界をどう生きるか」ということも繋がっています。
本の帯には「これは日本の問題である」と書かれているのも納得です。
それから最後に。
自分を生きるとは何か?
この問いに、とことん向き合う場所として、
沖縄ほど厳しく、そして理想的な場所はない。
これは、本のなかででてくる一節です。
沖縄で暮らす人々をはじめ、そしてこの国に暮らす人達が、今の世の中の現状を他人事ではなく自分事として向き合える人が増えますように(自戒の意味も込めて)。
この一冊からそう考えさせられました。
(ブログ内の本関連レビュー記事)
雑誌/モノクルマガジン(MONOCLE) APRIL 2020/issue 132
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