北欧/アンティ・ヌルメスニエミのテーブルをリペアしてもらいました。
北欧/アンティ・ヌルメスニエミのテーブルのこと。
アンティのテーブルは、結婚してからわりとすぐの頃に、 前職の先輩から譲ってもらったものでかなり気に入っていました。
それからすぐに私達は、しばらく日本を離れることになりイタリアで生活することとなります。
(関連記事) :イタリア暮らしの様子と生活費をブログで綴る(フィレンツェ編)
その間、 4年半程 持っていた家具を全て主人の実家の物置で預かってもらっていました。
が、いざ 帰国して荷物整理をしてみると、 この天板だけが見当たらないのです。(テーブルは脚と天板がばらせるような仕様)。
一年前の一時帰国の時は 確認したのに、、
なんで。
そしたら なんと。
天板だけ外に放置され 雨ざらしとなりシロアリの餌食になっていたのです、まさに瀕死状態でした。
色は変色どころではなく枯れ果て、状態は表も裏も喰われて掘ったように深い傷、貫通しているところまであります。
さらに 水分で膨張し反っている、
脚をはめる受け口のネジもサビがひどくて 脚も入りそうにない…。
形あるものはいつか壊れると、もともとそのあたりは比較的割り切れるわたしだけど、さすがに今回のはあまりにショックすぎて声も出ず涙が止まらなかったのです。
誰を責めるのかって そんなに大切にしていたならもっと確実な保管方法をとるべきだった自分でしょう。
でもどうやら何かの拍子で外に置いたらしい義父のことを、どっかでやっぱり犯人として見てしまう自分もいるのです。
しかし どちらにせよ もうこの状況が変わるわけはなく。
それから、わたしの涙は一週間以上 乾くことはありませんでした。
オークションなら可能性はあるかもしれないけど、新しく同じものを売っているところを探すのはそう簡単ではないはず。
でも泣いて解決するわけがないのです。
とにかく誰か助けてもらえる人を探そう、
そういうふうに冷静に向き合えたのは数週間経ってからでした。
日常的に使えるまでの修理は厳しいかもしれないけど、なるだけの処置をして家にいてもらいたい、
もしかしたら 花瓶くらいだったら 置けるようになるかもしれない、
とりあえず立ってくれさえいればいい。
そんな想いでした。
沖縄/家具屋『mokumoku(モクモク)』でリペアをお願いしました。
修理前の天板はかなり痛みたわんでいました。
それを4,5頭分にカットして、間に補強の板もはさみ接着してから歪みをなくし、さらに裏から新たな板で補強してくれました。
壊れたものをこうも必死に直したいって思ったことは 今までなかったし、それを実現してくれた方に出会えたのもラッキーでした。
まとめ
上の写真は、修理後のテーブルに、 元々入っていた刻印を切り取って、補強の部分に貼ってくれました。
ネームタグみたいなこの感じも愛嬌を感じて気に入っています。
そして修理をして下さった神田さんは、
『お仕事をうけたのは、気持ちが伝わったからで、思い入れのない物をただ直してって感じだったら受けなかったと思います。』と言ってくれた。
今回の一件(事件)を通して、モノを大切にとかなんとかもそうなんだけど、モノとのつき合い方含め自分自身の価値観を見つめ直すきっかけにもなった出来事になりました。
それから。
テーブルが我が家に戻ってきてから、出てきた一冊。
「アンティ・ヌルメスニエミについての小さな本」
アンティの代表作となっているコーヒーポットを始め、
彼が設計した自宅兼アトリエの写真も掲載されています。
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